ピッツバーグ大学の研究グループは、採血を不要とする小型ウェアラブル抗体センサーを開発しました。検査は約10分で結果が出せ、研究成果はAnalytical Chemistryに掲載されています。センサーはSARS-CoV-2やH1N1などのウイルスに結びつく抗体を検出できます。
技術はウイルス抗原をカーボンナノチューブに付着させる方式です。ナノチューブは髪の毛より約100,000倍小さく電気を通します。抗原に一致する抗体が結合すると電気的性質が変わり、その変化を測ることで抗体の存在と量が分かります。装置は0.5ボルトで動作し、面積は2.6平方ミリメートルと極めて小型です。皮膚科の試験では、従来のELISAより9桁高い感度が示され、微量から臨床的に重要な濃度まで検出できます。
研究はアレクサンダー・スター教授が主導し、以前はマリファナやフェンタニル検出のセンサーも開発していました。ファーストオーサーは大学院生アミール・アミリです。研究者らはセンサーをマイクロニードルアレイと組み合わせることを検討しています。マイクロニードルは長さ1ミリメートル未満で神経に触れずに間質液に到達できるため無痛です。博士研究員アシシュ・ダヤニは、マイクロニードルが液体を採取したり溶ける薬剤パッチとして作用したりでき、スターの小型センサーと適合すると述べました。
応用としては、持続的な監視による個別化治療の支援が考えられます。皮膚科長ルイ・D・ファロ・ジュニアはリアルタイム監視が治療の個別化に役立つ可能性を示しました。連続的な抗体データは、ブースター接種のタイミングや治療用抗体の投与量の判断、アレルゲンや他の感染症の検出に寄与する可能性があります。出典: University of Pittsburgh
難しい単語
- ウェアラブル — 身に着けて使う小型の電子装置
- 抗体 — 体内で異物を認識するタンパク質抗体の
- カーボンナノチューブ — 非常に細い炭素でできた筒状の材料
- 電気的性質 — 電流や電圧に関係する物理的な性質
- 感度 — わずかな量を検出できる能力
- マイクロニードルアレイ — 短い針を多数並べた小型のパッチ
- 間質液 — 組織の細胞の間に存在する液体
- 個別化治療 — 患者ごとに調整する医療の方法
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ディスカッション用の質問
- このウェアラブル抗体センサーが個別化治療にもたらす利点と限界を述べてください。理由を一つ以上挙げて説明してください。
- マイクロニードルアレイと組み合わせる利点は何か。無痛性や間質液の利用という点から、具体的な使用場面を想像して説明してください。
- 連続的な抗体データを得ることの実用上や倫理上の課題は何だと思いますか。懸念点と、それに対する対策の例を一つ挙げてください。