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日本語の読解レベル A1〜B2 と CEFR

LingVo.club のストーリーは、日本語だけでなく他の言語でも、それぞれ 4 つの難易度で読む(そして聞く)ことができます。これらのレベルは CEFR の尺度をゆるやかに参考にしており、日本語学習者と日本語教師のどちらにとっても、読解・リスニング練習にちょうどよいバージョンを選びやすくするための目安です。

レベル A1 – 初級

対象(CEFR A1・初級): ゆっくりはっきり話してもらえば、とても簡単なあいさつや自己紹介、身近な語句を理解できる、日本語の完全な初級者・やり直し学習者向けのレベルです。この段階の学習者は、キーワードやイラスト、音声、文脈に大きく頼っており、自分のことや身近な話題について日本語で話したり書いたりするには、まだサポートが必要なことが多いです。

目的: すべての単語を完璧に理解しようとして止まってしまうのではなく、「何についての話か」をすばやくつかめるようにすることです。テキストは短く、ひらがな中心の高頻度語彙と、ごく基本的な文型を繰り返し使っているので、語彙がまだ少なくてもストーリー(や音声)の流れを追いやすくなっています。

レベル A2 – 基礎〜初中級

対象(CEFR A2・基礎〜初中級): 家族、仕事、学校、趣味、旅行など、身近なテーマについての簡単な日本語ならある程度理解できる学習者向けのレベルです。ゆっくりめのニュースや説明なら、要点はつかめるけれど、知らない語彙や少し長い文でつまずくこともあります。

目的: 初級の土台を強くしながら、少しずつ本物のニュースに近づいていくことです。テキストはまだ比較的短く、基本語彙が中心ですが、A1 より文が少し長くなり、典型的な表現やよく使う決まり文句、接続表現も増えていきます。

レベル B1 – 中級

対象(CEFR B1・中級): 勉強・仕事・時事など身近な話題について、標準的で分かりやすい日本語の話し言葉や文章の要点を理解できる中級レベルの学習者向けです。このレベルでは、多くの場合ニュースやストーリーの筋を追うことができますが、細かいニュアンスや抽象的な表現はまだ聞き落としたり読み落としたりすることがあります。

目的: 必要な背景情報を含みつつも、負担なく読める明快な日本語ストーリーを提供することです。文体は実際の日本語ニュース記事に近いものの、B2 よりは語彙や構文を少し抑えてあり、「本格的なニュースに入る前の橋渡し」として使えるレベルです。

レベル B2 – 中上級

対象(CEFR B2・中上級): さまざまな話題について、比較的長く複雑な日本語の文章を読み、そこに含まれる主張や意見、そのニュアンスを追うことができる学習者向けです。この段階では、大学・仕事・専門的な場面で日本語を使う準備をしている人も多く、自然で正確な言い回しを身につけたいと考えています。

目的: ニュアンスや情報量をしっかり残した、より「本物」に近い日本語の読み物を提供することです。テキストには、日本語メディアで目にする情報の多くが含まれており、語彙はより豊かで文構造も複雑になり、自然な記事のような読み心地になります。上級一歩手前の読解・リスニング練習に最適です。

日本語学習者がレベルを活用する方法(読解・リスニング)

  • まずは A1 から始めて日本語テキストの大まかな内容をつかみ、慣れてきたら A2 → B1 → B2 と少しずつレベルを上げていきましょう。
  • 疲れているときや時間がないときは A1・A2、しっかり負荷をかけて日本語を読み・聞きたいときは B1・B2 を選びましょう。
  • 同じ日本語ストーリーを複数のレベルで読み比べて、新しい語彙や文法、つなぎ表現に気づき、音声ではどのように聞こえるかも確認してみましょう。
  • もしあるレベルで、ほとんど 2 文に 1 回は止まってしまうようなら、1 つ下のレベルに切り替えて、まずは流れを途切れさせずに読むことと全体の理解を優先しましょう。

日本語教師がレベルを授業で活用する方法

  • A1 は、日本語初級クラスや弱めのグループでトピックを導入し、日本語テキストと音声の大意理解を確認するための教材として使えます。A2 は、同じトピックを少しだけ難しくしたバージョンとして、フォローアップや追加読解に便利です。
  • B1 は、いわゆる中級クラスのメイン読解テキストとして使い、内容理解の質問(正誤問題や WH 質問など)や追加タスクと組み合わせましょう。
  • B2 は、より強いグループ向けの発展教材として、宿題や試験対策、日本語での要約・ディスカッション活動のベースとして使えます。
  • 1 つのクラスの中でレベルを分けることもできます:基礎が不安な学習者には A1・A2、自信のある学習者には B1・B2 を読ませ、そのあとで全員に日本語で主要なポイントを共有させましょう。
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