レベル B2 – 中上級CEFR B2
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複数の大学の研究チームが実施した研究は、投資家の注目を体系的に測ることで短期の市場リターンを予測できることを示しました。著者にはノートルダム大学のZhi Da、バルーク大学のJian HuaとLin Peng、国立台湾大学のTim Chih-Ching Hungがおり、論文は「Management Science」に掲載されています。
手法は透明です。個人投資家の注目はGoogleの1日あたりの検索ボリューム指数で、機関投資家の注目はBloombergの「Daily Maximum Readership」スコアで測定しました。各銘柄ごとに異常な注目度を算出して平均化し、Aggregate Retail Attention(ARA)とAggregate Institutional Attention(AIA)という二つの市場日次指標を作成しました。それらを説明変数にして市場リターンの回帰分析を行い、予測力を検証しました。
主要な発見は二つです。
- 個人の注目が高まると翌週のリターンは低下しやすい。研究者は個人が人気銘柄に遅れて参入して価格を過度に押し上げ、その後のパフォーマンスが悪化すると説明しています。
- 機関の注目が高まると翌週のリターンは上昇しやすい。特に重要なニュースの前に機関が銘柄を詳しく調べ始め、注目の高まりが来るべき不確実性の信号になるとされています。
さらに、研究はDowやS&P 500のようなトップダウン型の注目指標は予測に適さないと結論づけ、銘柄レベルで注目を測るボトムアップ型がより効果的だと述べています。研究者はこうした予測因子が市場変動の説明や資金配分の意思決定の改善に実用的価値を持つ可能性があると指摘しています。
難しい単語
- 注目度 — ある物事への関心の大きさ注目度を算出して
- 検索ボリューム指数 — 検索の量を示す数値検索ボリューム指数で
- 異常 — 普通と違っておかしいこと異常な
- 回帰分析 — 変数どうしの関係を調べる統計法回帰分析を行い
- 予測力 — 将来の変化を当てる能力予測力を検証しました
- トップダウン型 — 上から判断や指示が下る方式トップダウン型の注目指標
- ボトムアップ型 — 個別から情報を積み上げる方式銘柄レベルで注目を測るボトムアップ型がより効果的だと述べています
- 予測因子 — 将来の結果を説明する要因予測因子が市場変動の説明や資金配分の意思決定の改善に実用的価値を持つ可能性があると指摘しています
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ディスカッション用の質問
- 個人の注目が高まるとリターンが低下するという結果について、投資家や資産運用会社はどのように対応すべきだと思いますか。理由も述べてください。
- 銘柄レベルのボトムアップ型指標を自分が使うとしたら、どんな情報を追加で確認したいですか。具体例を挙げて説明してください。
- トップダウン型の注目指標が予測に適さないと結論づけられていますが、逆にトップダウン型が有効になりそうな状況はどんな場合だと考えますか。