手のしびれやチクチク感は頻繁に見られる症状で、原因の特定が治療を左右します。University of Rochester Medical Centerの手外科医ハンナ・M・スミス氏は、手根管症候群と肘部管症候群を正しく区別することが重要だと述べています。誤診があると治療の遅れ、不適切な装具の使用、症状の継続につながる可能性があります。見落としや誤治療によっては永久的な神経障害、筋萎縮、握力低下、やがて手術が必要になることもあります。
どの神経が障害されているかで治療方針が決まります。手根管症候群では手首で正中神経が圧迫され、親指・示指・中指・薬指の半分にチクチク感、焼ける感覚、夜間の悪化、細かい作業の困難、物を落としやすくなるなどの症状が典型的です。肘部管症候群では肘内側の尺骨神経の圧迫により小指と薬指の半分にしびれが出て、肘の疼く痛みや指の運動障害が起きやすく、肘を曲げた際に悪化します(運転中や電話を持つとき、睡眠中など)。
肘部管症候群は肘周囲で尺骨神経の通り道が狭くなったり刺激されることで起こり、肘を曲げたまま過ごす、硬い面に肘をつく、肘のけがや関節炎の既往、反復する肘の使用があるスポーツや職業に従事する人がなりやすいとされています。類似の症状は回内筋症候群、頸椎神経根症、糖尿病性神経障害、ギヨン管症候群、胸郭出口症候群、腕神経叢の問題などでも生じます。まれな原因として甲状腺疾患、ビタミンB12欠乏、自己免疫疾患、化学療法の影響、循環障害、ダブルクラッシュ症候群が挙げられます。
症状が数週間以上続く、日常の動作に支障が出る、しびれが毎日起きるまたは睡眠中に目を覚ます、筋力低下や手の不器用さを感じる場合は医療機関を受診してください。
難しい単語
- 手根管症候群 — 手首で神経が圧迫されて起こる病気
- 肘部管症候群 — 肘周辺で神経が狭くなり障害される病気
- 正中神経 — 手の一部の感覚や動きを担う神経
- 尺骨神経 — 小指側の感覚や指の動きを司る神経
- 筋萎縮 — 筋肉の量や力が減少する状態
- ダブルクラッシュ症候群 — 複数箇所で神経が障害される状態
- 頸椎神経根症 — 首で神経根が圧迫されて起こる病気
- ギヨン管症候群 — 手首近くの管で神経が圧迫される病気
ヒント:記事中の強調表示された単語にマウスオーバー/フォーカス/タップすると、その場で簡単な意味が表示されます。
ディスカッション用の質問
- 職場やスポーツで肘を曲げたまま過ごしたり硬い面に肘をつくことがリスクになります。予防のためにどんな対策が考えられますか?具体例を挙げて説明してください。
- 誤診や見落としがあると手術が必要になる場合もあります。早めに受診する利点や、自分で気づきやすいサインは何だと思いますか?
- 本文には手根管症候群や頸椎神経根症など類似の原因が挙がっています。診断の際に医師が確認すべき情報や検査はどんなものが役立つと思いますか?