レベル B2 – 中上級CEFR B2
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これまで糞粒の年齢推定には炭化水素の分析や色の変化が使われてきましたが、両者は高価な装置を必要としたり、餌の種類で色が変わるなど信頼性に欠ける問題がありました。カリフォルニア大学リバーサイド校の研究は、化学的指標ではなく糞に含まれる微生物の動きを手がかりにする新手法を示しています(発表誌:Journal of Economic Entomology)。
研究では乾材シロアリに天然広葉樹とドロシーファー(住宅の軸組みに多く使われる木材)を与え、糞粒を新鮮時と3か月、6か月、1年後に採取しました。定量的PCRで細菌DNA量を時間経過で測ると、天然広葉樹由来の糞粒は12か月で約190倍の減少、ドロシーファー由来は約184倍の減少が確認され、その大部分の減少は6か月までに起きていました。
この変化の背景には、空気に弱い嫌気性微生物が時間とともに減り、酸素を好む細菌が相対的に増えることがあり、微生物のDNA痕跡の減衰が糞粒の空気曝露時間を示す指標になり得ます。研究チームは他の研究者や技術者と協力して、糞粒中の細菌シグナルを検出するセンサーや、COVID-19検査のようなラテラルフローアッセイを想定した簡易装置の開発を目指しています。これにより糞が古いと判断できれば、不必要な薬剤処理を避ける助けになる可能性があります。
難しい単語
- 糞粒 — シロアリの排せつ物の小さな粒
- 炭化水素 — 炭素と水素でできた化学物質
- 定量的PCR — DNAの量を測る遺伝子検査法
- 嫌気性微生物 — 酸素があると弱る微生物
- 空気曝露時間 — 空気にさらされている時間
- ラテラルフローアッセイ — 簡単に使える紙の検査法
- 減衰 — 量や強さがだんだん小さくなること
- 相対的に — 他と比べたときの割合で
ヒント:記事中の強調表示された単語にマウスオーバー/フォーカス/タップすると、その場で簡単な意味が表示されます。
ディスカッション用の質問
- この研究で示された方法が実用化された場合、建物の害虫対策はどのように変わると思いますか。理由も述べてください。
- 簡易なセンサーやラテラルフローアッセイを現場で使うときの利点と課題は何だと思いますか。具体例を挙げて説明してください。
- 微生物の変化を用いる年齢推定は、他の分野(たとえば食品や考古学)でどのように応用できると思いますか。理由を述べてください。