研究チームは、グリオブラストーマ治療の効果を血液検査で評価する新しい方法を報告しました。グリオブラストーマは脳組織に広がりやすく、完全切除が難しいため多くの薬が血液脳関門を越えられません。
以前の臨床試験では、Cartheraが開発したSonoCloud-9を使い、超音波で血液脳関門を約1時間開けてパクリタキセルを脳に到達させました。ミシガン大学の診断技術では、関門を開くことで腫瘍由来の物質が血中へ流出することを確認しました。
研究者らは血中の細胞外小胞(EVP)をGlioExoChipで捕捉し、治療前後のEVP数の比率(術後数を術前数で割る)を算出しました。比率が上がれば治療成功、横ばいや減少なら不成功と判断します。論文はNature Communicationsに掲載されました。
難しい単語
- グリオブラストーマ — 脳にできる悪性の腫瘍
- 血液脳関門 — 血液と脳を隔てる障壁
- 細胞外小胞 — 細胞が出す小さな袋状の粒子
- 捕捉する — つかまえて保持すること捕捉し
- 比率 — ある量を別の量で割った値
- 完全切除 — 病変を全部取り除くこと
ヒント:記事中の強調表示された単語にマウスオーバー/フォーカス/タップすると、その場で簡単な意味が表示されます。
関連記事
Abbott-Bioline検査、研究で多くの偽陰性と判定
Malaria Journal掲載の国際研究で、Abbott-Bioline迅速診断検査が多くの偽陰性を出し、特にタイ・ミャンマー国境での検査で目的に適さないと結論されました。WHOは報告を審査しています。
酵素VLKが痛みをオンにする仕組み
研究で、神経細胞が傷の後に酵素VLKを放出し、痛みの信号をオンにする新しい仕組みが見つかりました。マウス実験でVLKの除去が術後の痛みを消しました。
ナイジェリアで迅速診断用検査キットの大量生産が始まる
ナイジェリアのWHO認可工場Codix BioがHIV・マラリア・結核向けの迅速診断用検査キット147million個の生産を開始しました。現地調達を増やし、将来的に部品を国内で作る計画です。
鼻から投与したナノ薬でマウスの脳腫瘍が消失
研究者らは鼻から投与する球状核酸ナノ薬をマウスに用い、致命的なグリオブラストーマを消失させ、STING経路を活性化して長期免疫を得たとPNASで報告した。
採血不要の10分で分かるウェアラブル抗体センサー
ピッツバーグ大学の研究者が、採血をせず間質液で抗体を測る小型のウェアラブルセンサーを開発しました。SARS-CoV-2やH1N1の抗体を検出でき、研究はAnalytical Chemistryに掲載されました。