ワシントン大学の研究は、AIが人間の行動を観察して文化的な価値を学べるかを検証しました。研究では、自己を白人と識別した参加者と自己をラテン系と識別した参加者のデータを別々に使って、AIエージェントを訓練しました。参加者の数は、白人グループが190人、ラテン系グループが110人でした。
エージェントは逆強化学習(逆報酬を推定する学習法、IRL)で訓練され、人の行動からその行動を動かす目標や報酬を推定しました。主要な実験では改変版のゲーム「Overcooked」で、プレイヤーが玉ねぎスープを届けながら他者を助けるかを確かめました。
結果として、ラテン系のデータで訓練されたエージェントは、ゲーム中により多くの玉ねぎを渡すなど利他的に振る舞いました。寄付を判断する別の試験でも同様の傾向が見られ、著者らはより多様な文化データの必要性を指摘しました。
難しい単語
- 観察する — 人や行動を注意深く見ること観察して
- 文化的 — 社会や集団の習慣や価値に関すること文化的な
- 逆強化学習 — 行動から報酬を推定する学習法
- 推定する — データから値や原因をおおよそ決めること
- エージェント — ソフトやロボットなどの動く主体AIエージェント
- 利他的 — 自分より他人を先に考えるさま利他的に
- 寄付 — 金銭や物を他人や団体に与えること
ヒント:記事中の強調表示された単語にマウスオーバー/フォーカス/タップすると、その場で簡単な意味が表示されます。
関連記事
市民アーカイビストが南アジアの口承文化を記録
南アジアの市民アーカイビストが民謡、口述歴史、なぞなぞ、伝統医療の知識などを録音し、Wikimediaのプラットフォームに公開して保存している活動を支援するプロジェクトの報告。
国際レゲエ・デー、気候正義と活動を強調
国際レゲエ・デーは「ひとつの愛、ひとつの声、ひとつの日」をテーマに、気候正義と環境を重視しました。主催者はウィニー・マンデラ人道賞の受賞者を発表し、世界各地で祝賀行事が行われました。
メリッサ・コビーが制作するUSオープン2025のテーマアート
2025年のUSオープンは「75 Years of Breaking Barriers」をテーマに、フロリダ拠点のジャマイカ出身アーティスト、メリッサ・コビーが大会ビジュアルを制作します。作品は大会期間中に会場で掲出されます。
先住民指導者Dzoodzo Baniwa、Bunge Foundation賞を受賞
アルト・リオ・ネグロの先住民指導者Dzoodzo Baniwaが、気候非常事態への対応と農業科学の革新的解決でBunge Foundationの賞を受賞しました。彼は教育と地域の実用的な技術で知られています。
ウクライナのアニメーター、タマラ・フィンレイの物語
タマラ・フィンレイは、ウクライナの文化や自身の経験を反映したストップモーションアニメーターです。彼女の作品は、記憶と文化をつなぎます。