パキスタンのエネルギー転換と中国の影響CEFR B1
2025年12月10日
原文: Qian Sun, Global Voices • CC BY 3.0
写真: Ahmed Raza, Unsplash
グローバル・サウスでは、世界人口の70%以上が安定した電力、価格の手ごろさ、排出削減という「エネルギー・トリレンマ」に直面しています。中国の再生可能エネルギー関連産業は太陽光パネル、風力タービン、蓄電池、送電設備を大量に供給し、価格低下は南アジアでの太陽光・風力導入を経済的に実現しました。
中国人民大学の指数「Global South Energy Trilemma Index(能源不可能三角)」は、2000年以降、多くの国でエネルギーアクセスと安全保障が改善した一方、環境の持続可能性は低いままだと指摘します。パキスタンは196か国中51位で、エネルギー転換には大きな投資不足があり、2030年までに1.01兆米ドルが必要とされています。通貨の不安定さ、循環債務、対外投資の変動がギャップを悪化させています。
国内の製造能力が乏しく、輸入に頼ることが多いことも課題です。中国製の機器は初期費用を下げますが、為替変動や輸入価格の変化、長期的な技術依存というリスクを生みます。また、一帯一路で建設された石炭火力発電所は固定容量支払いを課し、政府は独立系発電事業者に毎年巨額を支払っており、新たなクリーン投資の余地を狭めています。
難しい単語
- エネルギー・トリレンマ — 安定、価格、排出削減の三つの課題
- 再生可能エネルギー関連産業 — 太陽光や風力などの産業分野
- 蓄電池 — 電気をためておく装置
- 持続可能性 — 将来にわたって続けられる状態
- 投資不足 — 必要な投資が足りないこと
- 為替変動 — 通貨の交換比率が変わること
- 循環債務 — 債務が連鎖して増える状況
- 固定容量支払い — 使わなくても払う発電料金
ヒント:記事中の強調表示された単語にマウスオーバー/フォーカス/タップすると、その場で簡単な意味が表示されます。
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