学術誌に掲載された研究で、シカゴ大学 Pritzker School of Molecular Engineering の Po-Chun Hsu 助教の研究室が、炭素ナノファイバーを用いた直接空気回収フィルターを発表しました。筆頭著者は当時のポスドクで現在はナンヤン工科大学の助教である Ronghui Wu です。
研究のライフサイクル分析は、製造・輸送・保守・廃棄を含めてもこのフィルターがCO2を92%超で除去する効率を示しました。フィルターは室内CO2を捕捉し、外気を入れる必要を減らします。その結果、暖房や冷房の負荷が下がり、HVACのエネルギー使用量と料金が低くなる可能性があります。ある研究では個別の建物で最大約21.6%の節約が示されています。
材料は炭素ナノファイバーを基にしたポリエチレンイミンで、再生可能に設計され、既存のHEPAフィルターと互換性があります。
難しい単語
- ライフサイクル分析 — 製品の製造から廃棄までの環境影響を評価
- 炭素ナノファイバー — とても細い炭素でできた繊維状の材料
- 除去する — ある物を取りのぞいて無くすこと
- 捕捉する — 空気中の物質などをつかまえること捕捉し
- 再生可能 — 何度も使えるように作られている性質再生可能に
- 互換性 — 他の製品と一緒に使える性質
ヒント:記事中の強調表示された単語にマウスオーバー/フォーカス/タップすると、その場で簡単な意味が表示されます。
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